Q

40代女性です。最近台所に立っているとお臍（ヘそ）の辺りに違和感があるのでよく見てみると、でべそのようになっています。放置しても大丈夫でしょうか？

A

お臍にできるヘルニアは臍ヘルニアといいます。また腹腔鏡手術の後には、腹壁瘢痕ヘルニアがお臍に一致してできることがあります。ヘルニアの語源は脱出を意味するラテン語のherniaです。 一般的に臍にできるヘルニアはヘルニア門（ヘルニアの出口）が小さいために、脱山した腸管にダメージが加わる可能性が高く、診断がついた場合には手術を検討していただく必要があります。急な体重増加や妊娠などがリスクとなります。もし立位でお臍が出ているなと感じた場合は、仰向けになりリラックスした状態でお臍に人差し指を優しく入れてみてください。でべそがなくなれば臍ヘルニアの可能性が高いと思いますので、専門医療機関を受診してください。小さい穴であれば直接縫合することで完治することもありますし、大きなヘルニア門に対してはメッシュを挿入して治療します。 臍ヘルニアや腹壁瘢痕ヘルニア（ふくへきはんこん）ヘルニアは放置すると必ず大きくなりますし、大きくなればなるほど手術の困難性が増します。

2024年4月17日　朝日新聞より

この記事の解説者

新谷　隆

生涯外科医を目標に日帰り手術専門クリニックALOHA外科クリニックを開業。「外科医の仕事は手術」を信念に万人の病気「鼠径ヘルニア」に対する腹腔鏡手術の普及に努める。趣味は映画鑑賞と料理。最近では「生きることは食べること」を信条に、カレーの薬膳効果を研究するべく、カレー大学・カレー大学院を首席で卒業した新谷院長自ら製作した腸管免疫機能の維持が期待できる U.F.O.カレー を考案。医学的にも立証済みのGFO療法から着想を得たオリジナルカレーです。Ultimate Fiber & Oligosaccharide（究極の食物繊維とオリゴ糖）の略称