「鼠径部ヘルニア診療ガイドライン 2015」を紐解く
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「鼠径部ヘルニア診療ガイドライン 2015」を紐解く 投稿日 2020-11-14、最終更新日 2023-04-07
術後除痛効果において有用な麻酔法は何か?(CQ18-2 )
Answer
術後早期回復、鎮痛持続時間の長さから硬膜外麻酔は全身麻酔に比較し有用である(推奨グレードB)。
局所麻酔は手術室滞在時間の短縮が可能で、術後の鎮痛持続時間が長く、患者満足度にも優れる(エビデンスレベルⅡ)。
※「鼠径部ヘルニア診療ガイドライン 2015」55頁より
解説
術後早期回復、鎮痛持続時間の長さから硬膜外麻酔は全身麻酔に比し有用である。
腰部脊髄くも膜下麻酔は全身麻酔と比較して術後の呼吸抑制が軽度であり、術後鎮痛に関しては差がない。
また局所麻酔と脊髄くも膜下麻酔の比較では、局所麻酔の方が術後早期の除痛に優れる。
局所麻酔と全身麻酔では術後早期の除痛に関しては局所麻酔が優れるが、当日以降では差がなかった。
※「鼠径部ヘルニア診療ガイドライン 2015」55頁より
(ただし、太字への変更及び下線は筆者)
注記*
全身麻酔には局所麻酔を併用するのが一般的でしょう。
全身麻酔がかけられない高リスク患者には局所麻酔を如何に有効に投与するかが重要です。
硬膜外麻酔やくも膜下麻酔に比べ局所麻酔は手技が簡易で、体位などの変更も不要であり、また麻酔時間の短縮にもつながります。
腹部手術であれば超音波ガイド下神経ブロック(CQ18-3)も麻酔時間の延長にはそれほどならず、有害事象も少なく、日帰り手術麻酔に有用と思われます。
【総合外科医の眼】
術前の神経ブロックは有用です。
術後鎮痛薬に関して
注射で使用できる薬剤は ロピオン=NSAIDsという薬です。
水分摂取が可能(覚醒後10分位)となったら、内服薬のロキソプロフェンやセレコキシブ(これらも =NSAIDs です)やカロナール(アセトアミノフェン)やトラマドール(オピオイド=非麻薬)などを組み合わせて服用いただくことで帰宅前までに疼痛コントロールできたことを確認することが日帰り手術では重要な点です。
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