「鼠径部ヘルニア診療ガイドライン 2015」を紐解く
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「鼠径部ヘルニア診療ガイドライン 2015」を紐解く 投稿日 2020-11-14、最終更新日 2023-04-07
成人鼠径部ヘルニアに対して手術成績に相違はあるか?(CQ8)
Answer
メッシュ法(腹腔鏡手術を除く)の手術成績には術式間で大きな差はなく、習熟した術式を行うことが勧められる (推奨グレードC1)
※「鼠径部ヘルニア診療ガイドライン 2015」33頁より
解説
手術成績には、短期成績(手術時間、コスト、急性疼痛、出血(血腫)、漿液腫、早期感染、在院期間、社会復帰までの期間、QOLなど)と長期成績(再発、慢性疼痛、違和感、晩期メッシュ感染、整容性など)がある。
数百例規模のRCTが数編あるが、特定の術式に関して明らかな有意差をもって良好な(あるいは不良な)手術成績を証明したものではなく、わが国において特定の術式を行うよう(あるいは行わないよう)推奨することはできない。
Learning curve を考慮すると、各施設(あるいは術者)で習熟した術式を用いることが推奨される。
※「鼠径部ヘルニア診療ガイドライン 2015」44頁より
(ただし、太字への変更、及び下線は筆者)
注記*
個人的には腹腔鏡下ヘルニア手術を近々の10年間のライフワークとして実践してきました。
ただし、その中で全身麻酔が困難な基礎疾患を有する方や、前立腺摘出術後等で高度な癒着を有する方などは、必ずしも腹腔鏡手術が妥当とも思えず、そうであれば鼠径部切開法による局所麻酔下手術も必要な術式と考えております。
「術者が習熟した術式」も然りですが、「患者に適した術式」も熟考いたします。
注記*
もう一点、個人的には年配の方は疼痛に強く、術後早期離床がはかれ、日常生活への復帰が早い「日帰り手術」はとても理にかなっております。
術式は基礎疾患により全身麻酔が可能であれば腹腔鏡下ヘルニア手術、全身麻酔が困難であれば局所麻酔手術 がよいと思います。
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