「鼠径部ヘルニア診療ガイドライン 2015」を紐解く
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「鼠径部ヘルニア診療ガイドライン 2015」を紐解く 投稿日 2020-11-14、最終更新日 2023-04-07
嵌頓ヘルニアの鑑別診断方法は?(CQ24-3 )
Answer
詳細な身体検査をはじめ、各種検査を併用する。
※「鼠径部ヘルニア診療ガイドライン 2015」69頁より
解説
嵌頓ヘルニアのうち緊急手術が必要な症例を鑑別できる方法が重要である。
また、成人大腿ヘルニアは嵌頓する危険性が高く、鼠径ヘルニアと大腿ヘルニアの鑑別は有用である。
血液検査や各種画像検査(腹部超音波検査、CT、MRIなど)が有用だとされる報告は散見されるが、いずれも十分な科学的根拠があるとは言い難く、決定的な方法を見いだせない。
現時点では身体所見をはじめ総合的に判断せざるをえない。
※「鼠径部ヘルニア診療ガイドライン 2015」69頁より
【総合外科医の眼】
診断は身体的所見に加え、CT検査(MRIより簡便)は必須と思われます。
これまでの統計などからおよその数字をお伝えします。
①鼠径ヘルニアを発症するとその後1年程度で1/100の方が嵌頓するようです。 単純に10年経過すると 1/100 ×10=1/10 となります。
②嵌頓した方の内数(3~4/100)%の方が緊急手術(腸管切除を含む)を受けることになります。
①②から 鼠径ヘルニアを発症するとその後1年程度で 3~4 /10,000の方が ②嵌頓した方の内数(3~4/100)%の方が緊急手術(腸管切除を含む)を受けることになります。
鼠径ヘルニアの手術を受ける方は年間15万人と言われておりますが、鼠径ヘルニアを発症する方は30~40万人と言われていますので、 3~4 /10,000 × 300,000~400,000 =90~160人の方が1年間に 緊急手術(腸管切除を含む)を受けることになります。
これほど多くの方が 緊急手術(腸管切除を含む)を受けることの無いよう、鼠径部ヘルニアに対する正しい知識の教育・普及が重要と考えます。
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