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院長ブログ 投稿日 2025-08-07、最終更新日 2025-08-07
鼠径ヘルニアTAPP法について
TAPP法は、腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術の一種で、全身麻酔下でお腹に数カ所の小さな穴を開けて行う手術です。カメラでお腹の中の様子を直接見ながら、ヘルニアの穴を塞ぐためのメッシュを腹膜と筋肉の間に留置します。
TAPP法について
TAPP法は「Transabdominal Preperitoneal repair」の略で、日本語では腹腔鏡下腹膜外修復術と呼ばれます。 この手術は、以下の流れで行われます。
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腹部の切開: おへそなど数カ所に5~10mmほどの小さな穴を開けます。
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腹腔鏡の挿入: 穴からカメラ(腹腔鏡)を挿入し、炭酸ガスでお腹を膨らませて広い視野を確保します。
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ヘルニアの確認: カメラでヘルニアの穴(ヘルニア門)を直接確認します。
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メッシュの留置: 腹膜を切開し、ヘルニアの穴の内側にメッシュを広げ、タッカーで固定します。特殊な構造で器具を使わずにメッシュ自身が張り付く最新のメッシュも使います。
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腹膜の閉鎖: 切開した腹膜を縫い合わせて閉じます。
この方法の大きな利点は、傷が小さく目立ちにくいこと、術後の痛みが少ないこと、回復が早いことです。また、カメラで左右両側のヘルニアを同時に確認できるため、両側にヘルニアがある場合でも一度の手術で治療が可能です。
安全性について
TAPP法は、経験豊富な医師が行えば安全性の高い手術です。しかし、全身麻酔が必要であること、腹腔鏡を挿入する際に臓器を傷つけるリスクがわずかながら存在すること、また、術後にごくまれに慢性的な痛みや違和感が残ることがあるなどのデメリットもあります。
医師の資格について
TAPP法のような腹腔鏡手術は、高い技術が要求されます。そのため、以下の資格や経験を持つ医師が良いとされています。
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日本内視鏡外科学会技術認定医: 内視鏡手術に関する高い知識と技術を持つことを証明する資格で、合格率が低い難関資格です。
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日本外科学会外科専門医、日本消化器外科学会専門医: 外科や消化器外科に関する専門的な知識と豊富な手術経験を持つことを証明する資格です。
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日本ヘルニア学会 鼠径部ヘルニア修得医: 2024年度から始まった比較的新しい資格で、鼠径ヘルニアの診療に関する知識と手術経験を持つ医師を認定するものです。
これらの資格は、医師の技術や知識の一つの指標となりますが、最も重要なのは、その医師がTAPP法を含む腹腔鏡手術の経験を豊富に持っているかです。
ALOHA外科クリニックのサイトにも、経験症例数や、取得資格などを記載しております。
鼠径ヘルニアでお悩みの方は、お気軽にお問い合わせください。
ALOHA外科クリニックは、常に住み慣れた家で自分らしい暮らしを最期まで継続できるよう外科学を基盤に支援できるクリニックでありたいと考えております。
この記事の文責者
新谷 隆 NIIYA TAKASHI ALOHA外科クリニック院長
資格・所属
- 日本外科学会専門医
- 日本消化器外科学会専門医・指導医
- 日本内視鏡外科学会技術認定医(胆道)
- 日本ヘルニア学会会員
- 日本緩和医療学会会員
- 日本短期滞在外科手術研究会
- 「がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会」修了
- NST研修修了 日本静脈経腸栄養学会
- 昭和大学消化器・一般外科兼任講師

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