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「鼠径部ヘルニア診療ガイドライン 2015」を紐解く

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「鼠径部ヘルニア診療ガイドライン 2015」を紐解く 投稿日 2020-11-14、最終更新日 2023-04-07

成人鼠径部ヘルニア発生の危険因子には何があるか?(CQ6-1 )

Answer

高齢、るいそう、反対側のヘルニアの既往、ヘルニアの家族歴、腹圧のかかる仕事や運動、経後恥骨的前立腺摘出術の既往、慢性的な咳、腹膜透析、喫煙、プロテアーゼインヒビターの服用、腹部大動脈瘤などが危険因子として報告されている(エビデンスレベルⅢ)
※「鼠径部ヘルニア診療ガイドライン 2015」29頁より

解説

① 年齢、性別などの一般因子

小児ヘルニアを除けば、鼠径ヘルニアは高齢男性、大腿ヘルニアは高齢女性に多いことは臨床的に明らかである。

鼠径ヘルニアと大腿ヘルニアを比較すると大腿ヘルニアの方が高齢者に多い。

肥満は腹圧上昇の一員となるので危険因子と考えられることが多いが、大規模な前向き検討でむしろBMIの高い方がリスクは低いと報告されている。

一側のヘルニア治療後の対側発症率は、報告によってかなりの相違があるが、大規模な検討で10年で3.8%に発症すると報告されている。

疫学的検討では、慢性的な咳、便秘、ヘルニアの家族歴などが危険因子として挙げられている。

② 既往疾患

経後恥骨的前立腺摘出術後は鼠径ヘルニアの発生が明らかに多い。その他の下腹部正中切開手術が危険因子となるとする報告もある。

③ 組織代謝的因子(鼠径管後壁のコラーゲン減少に関与する因子)

EHSガイドラインでは喫煙が明らかな危険因子とされているが、その後、反対の結果の論文も出ている。

直接の因子ではないが、腹部大動脈瘤もコラーゲン減少が関与するためヘルニアを併存することが多いと報告されている。

④ その他の原因

特殊な成人鼠径ヘルニアの原因として、サッカー、アイスホッケー、ラグビーなどの激しい運動がいわゆるスポーツヘルニアの原因となることもある。

※「鼠径部ヘルニア診療ガイドライン 2015」29頁より

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